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2009年5月

ホワイトバブル?~医療問題ブームの今後~

先日、府医「今の医療こんなんで委員会」に参加させていただきました。

今回は、医療同様、崩壊寸前の「介護問題」について。

「高齢者医療」については、

「もっと知る努力を」http://genjibosi.cocolog-nifty.com/blog/2008/04/post_6164.htmlでも、友人の日記を紹介させていただきましたが、私自身はまだ、介護は未体験です。

介護問題の専門家を迎えて、現場の切実な声を聞かせていただき、とても勉強になりました。

クレーマーやモンスター○○と言われる存在は、医療でも介護でも、そのほかどの業界にでもいるものですが、人数そのものは、とても少ないのです。

「給食費未払い」の問題で言われていたのが、1%ですが、この1%という数字は、昔から変わっていないようです。で、なにが問題かというと、本来は普通の人なのに、そのモンスターに影響されて後天的にモンスター化しちゃう人たちです。

その「本来は普通の人」が巻き込まれて、クレーマーになってしまったり、たった一人でも、要注意人物が施設の中にいるだけで、職員の手も神経も多くがそちらにさかれ、他の入所者が後回しになってしまったり、職員の心身の疲弊が激しく退職者も多い、残されたものの負担が更に増す、という医療崩壊と同じ現象がおきているのです。

おどろきは、「介護保険」は、掛け金をかえているのだから、死ぬ前に使わなければ損!と考えて、本来は家庭で介護可能な人も、入所させる家族や希望する人が多いということです。審査は必要ですが、実際は、家族の経済力やマンパワーなどは関係なく、本人の能力のみでの判定になっていたり、とりあえず申請しとけっていう申請が多いと、そのために多くの人が動かなければならず、それだけで費用も人手も食われてしまうということが理解されていないのです。

介護保険というのは、健康保険と同じく社会保障制度であり、「助け合い」の制度であって、「積み立てておいて、どかっと使う」という性質のものではありません。

利用者は権利を行使するのではなく、医療も介護も福祉も、限りのある「資源」であると考えて、有効に活用しながら保護していかなければいけないのです。

「資源」の有効活用と保護というと、近年の「環境問題」の取り組みにヒントがるのではないでしょうか。

いま環境業界では、オバマ大統領のグリーンニューディール政策に代表される、「環境問題と経済活性と雇用問題を一気に解決しちゃおう!」という動きが活発です。

地球温暖化やオゾン層の破壊や資源の枯渇や、そういう環境問題についてのアピールは、昔からされていましたよね。

「ああ、たいへんなことになるんやなー人類ほろんじゃうんかな~」とおもいつつ、でも自分や子供の代でどうとかっていう話ではないやんなーと思っていたら、実はもっと逼迫した問題だったということも、最近知られるようになりました。
それって、ずっと訴えてきた人たちの力であり、メディアの力でもあります。
そのおかげで、一般の私たちにも
「まあ、環境破壊で地球滅亡って感じィ~?」
っていう感じを持つ人が増えてきて、土台として出来てきたわけです。

環境資源の浪費のもとに利益をあげて来た企業も、便利な使い捨てから、「エコ」をうたった商品を開発したり、古い製品を下取りしたりという環境対策をしはじめました。たとえば、太陽光発電で作った電力を電力会社が、通常の倍の料金で買取り、その電力を供給しようというのがひとつです。

そして、国も環境対策を勧める企業には、補助しようじゃないの?っていう動きがでてきました。言い方をかえれば、環境問題に取り組んでるから偉い!ってことを口実に、企業へ税金を投入ってことになるわけですが、そのおかげで、いまは長年、大企業の反発の元にかなわなかった環境対策が、実現しやすくなっています。

環境問題に取り組んできた運動家たちの間では、「グリーンバブル」と呼ばれている状況なのです。

しかし、一方でエコを口実にした企業献金だという批判もあります。
また、電力会社の電力買取のために、電力を使用するほうが支払う電気料金を値上げされますが、これにも批判があるわけです。
いまの不景気な時代、高価な太陽光発電をつけられるような金持ちのために、ライフラインである電気料金を値上げするとは何事か!ってことですね。

しかし、不景気で雇用不安の強いいまだからこそのチャンスでもあります。
限り在る環境資源を守ることと、雇用不安の解消を一度に解決しよう、そのために国が税金を投入することと、国民も協力する必要があるということを理解しなければいけないんです。

なぜ、「バブル」なのかっていうと、そのうちはじけて終わるっていうことなんでしょうね。そして歴史を振りかえると、こういうことは何十年かごとに繰り返してきて、そのたびに改善されてきたこともあるそうです。なので、環境家の人たちは、この千載一遇のチャンスを最大限に利用し、バブルがはじけた後も逆戻りしないように、この間に、ブームが終わったら忘れられてしまうようなものでなく、きちんとした制度や法律という「かたち」に残そうと活動しているそうです。

で、これって「環境資源」を「医療資源」に置き換えると、まさに今って「医療崩壊バブル」っていえると思いませんか?

医療や社会福祉での問題は、最近起こり始めたことではなく、ずっと昔からあったことですが、最近になってやっと報道されはじめ、私たち一般人にも知られるようになりました。私たちにとっては、寝耳に水の「医療崩壊・介護崩壊」ですが、その現場を支えてきた人は、心身ともに限界です。いま、注目を集めている「いま」だからこそ、思い切った取り組みが必要ですし、いまがチャンスなのです。

環境問題が「グリーンバブル」なら、医療問題は「ホワイトバブル」とでもいいましょうか。医療も介護も福祉も、日本では、ひとまとめにざっくり予算を削られてきたのですから、ここでは全部ふくめて、「医療・社会福祉バブル」ということでもあるかとおもいます。

グリーンバブルの崩壊は「先のことを考え続ける」ことがだんだんしんどくなって、別の(多くの場合目の前の)ことに関心を移す人がある程度増えてくると、「関心が薄れたのは問題が片付いたからだ」と考える人が急速に増えてきて一気に別のテーマに関心がうつるというメカニズムで生じるようです。

70年代初頭の公害への関心は石油危機に、90年代初頭の地球環境ブームはバブル崩壊に関心がシフトすることで沈静化していきました。

〈医療問題バブル〉も似たような経過をたどる可能性がありますので、崩壊のプロセスを知っておくと参考になるかと思います。

そうして考えると、私たちが目指すものや出来ること、しなくちゃいけないことが、わかってくる気がするのですが、どうでしょうか。

そうはいいつつ、私たちが「法律」や「制度」を作るというのは、ちょっと無理っぽいですよねえ

大切な「第一歩」は、まず知ること。

現場の声をきくこと。残る力はすくなく、掻き消えてしまうかもしれないけれども、切実な声に共感を持って聞き、自分たちの問題だと考えることです。

病気や怪我は、しない人はずっとしませんが、老いは必ずやってきます。あなたの両親、あなた自身、だれもが皆老いていくのです。

「こんなんで委員会」では、「妊娠の心得11か条」のように、介護を受ける側、介護する側それぞれの「心得」を作ろうと、それぞれがまず案を持ち寄ることになりました。私は、まだ介護の経験がないので、切実なところがわかりません。皆さんも一緒に考えていただけないでしょうか。ご意見おまちしております。

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